柔論

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敏感なお尻

そのお尻は少し敏感なお尻だった。

言葉、声、音。そして繋がり。その全てを、一般的なお尻より少し重く感じ取ってしまうのである。

 

気になり始めたのは中学尻のころだった。

多少でも棘を含んだ言葉が気になるようになり、それが自分への言葉であれば寝ても覚めても纏わりついた。

空気を悪くしたくないがために「嫌だ」と屁をかますこともできず、ガスは内に溜まり続けた。

そのことを、尻合いに相談した。

「尻の穴が小さいんじゃないの?」

そんな言葉さえ深く突き刺さってなかなか抜けなかった。

 

そのうち尻と会話をすることを避け、尻合いをも避け、次第につきあいは無くなっていった。

孤立すると今度は周囲の目が気になるようになり、学校へは行けなくなった。

家の中でも、親の言葉がいちいち刺さるので結局は部屋から出てこなくなった。

それは一般的なお尻からすればトイレットペーパーのように些細なものだったかもしれない。

だが、お尻は、それで傷ついてしまうほどに、やわらかかった。

 

 

↑これsm40306669の映像作る前に書いたものです。

なんだろうこれ。