柔論

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小さなお尻

ある日、小さいお尻が楽しげに散歩していると、道端の木から顔が現れた。

顔は「世界中の宝物をきみにあげたい」と言った。

それを聞いたお尻は「ちょうだい!」と欲しがったが、「無理だ」と断られてしまう。

落胆するお尻。

「だから、うたうよ尻のうた」

そう言って顔はお尻へと姿を変え、小さいお尻のためにうたを歌うのだった。

懸命に、そして愛おしく歌い上げるお尻につられ、小さいお尻も一緒になってうたを歌った。

 

それから時は流れた。

小さいお尻は大きいお尻になっていた。

あの日欲しがった「世界中の宝」を諦めきれず、世界を巡り宝を集めることに身を窶していた。

”Hello I'm Oshiri yo”

その土地土地で住民にあいさつをする。

周りにお尻の姿は見当たらない。

ここ数年でお尻の数は急激に減少し、今や絶滅危惧種に認定されている。

あの日一緒に歌ったお尻も、もうこの世にはいない。

手に入れた宝を見つめていると、美しい輝きの中にあの日のお尻が見える。

大きいお尻はその宝を、大切そうにお尻の割れ目の中にしまいこんで、また旅をつづけた。

 

そしてついに世界中の宝を集め遂げた。

お尻は大いに喜んだ。

すぐさま宝をお金に換えた。

何に使おうか、夢を膨らませてお尻はお金を見つめた。

しかしお金の輝きの中には何も映っていなかった。

その瞬間、大量のお金が何の価値もないものに感じた。

お尻はその時初めて、自分が、あのとき、あの時間にしかない尻のうたを追い求めて宝を探していたのだと気が付いたのだった。

もうこの世にはない、あのお尻の、あの小さなプレゼントを求めて。

お尻は街へ駆け出した。

街は人間で塗れている。

マイクを手に取りヤケになって尻のうたを歌った。

「なんだなんだ?」「あれってお尻じゃない…?絶滅危惧種の…」 ガヤが集まる。

しかし、そんなことお構いなしにお尻は歌い続ける。あの日のお尻のように。

人々はその姿に不思議と目を奪われた。あの日のお尻のように。

そして人々も一緒になって歌った。

溢れる想いがメロディになる。

止まらないメロディはスキャットになり、Adoにもなった。

お尻は歌い終わった後、安らかに、静かに息を引き取った。

それと同時にお尻は世界から絶滅した。

大きなお尻が最後のお尻だった。

この出来事はのちに「お尻の最後っ屁」として受け継がれていった。

 

 

↑これsm40053169の映像作る前に書き留めたストーリーです。

なんだろうこれ。